血液検査では診断できない。除去食試験が唯一の確定診断法 ── 最低8週間、一切のおやつを封印して初めて見える真実。正しいプロトコルと「やりがちな失敗」を徹底解説。
犬猫の食物有害反応(AFR)の確定診断法は除去食試験(Elimination Diet Trial)のみであり、血清IgE/IgG検査は陽性適中率が低く診断には使えない。除去食の期間は最低8週間(理想は10-12週間)。フードには加水分解タンパク食(分子量 < 5-10 kD) または新奇タンパク食を用い、おやつ・フレーバー付き駆虫薬(チュアブル)・歯磨きペースト等を一切禁止する。症状改善後に負荷試験(Re-challenge)で元のフードを再給与し、数時間〜14日以内(多くは1-3日以内)にかゆみが再発すれば診断確定となる。犬のAFRの主要アレルゲンは牛肉・乳製品・鶏肉・小麦、猫では牛肉・魚・鶏肉。発症年齢は犬猫ともに1歳未満または6歳以上に二峰性分布を示す。
| ステップ | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| ① フード選択 | 加水分解タンパク食 or 新奇タンパク食(療法食) | ─ |
| ② 除去食開始 | 選択フードのみ給与。おやつ・チュアブル等すべて禁止 | 最低8週間 |
| ③ 判定 | かゆみ50%以上減少 → ④へ。不変 → 試験不成立 or アトピー併発 | ─ |
| ④ 負荷試験 | 元の食事を再給与。症状再発(数時間〜14日)で確定 | 1-14日 |
| ⑤ 確定 | 除去食に戻して症状消失を確認 | ─ |
| ❌ 旧来 | ✅ 最新 |
|---|---|
| 血液検査(IgE/IgG)で食物アレルギーを診断 | 陽性適中率が低く、診断には使えない。唯一の診断法は除去食試験 |
| 除去食は4週間で十分 | 最低8週間、理想は10-12週間。遅延型反応を見逃さないため |
| 市販の「グレインフリー」で代用可能 | 市販一般食は交差汚染のリスクあり。療法食(加水分解 or 新奇タンパク)を使用 |
| 除去食で改善すれば診断確定 | 負荷試験(Re-challenge)で再発を確認して初めて確定 |
| タイプ | 原理 | 製品例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 加水分解タンパク食 | タンパク質を分子量 < 5-10 kDに分解 → 免疫系が認識できない | z/d, HA, Ultamino | 重度症例にはUltamino(アミノ酸レベルまで分解)を推奨 |
| 新奇タンパク食 | 患者が過去に食べたことのないタンパク源 | カンガルー、ダック、ウサギ | 食歴の聴取が不可欠。市販食は交差汚染リスクあり |
| 順位 | 犬 | 猫 |
|---|---|---|
| 1 | 牛肉 | 牛肉 |
| 2 | 乳製品 | 魚 |
| 3 | 鶏肉 | 鶏肉 |
| 4 | 小麦 | ─ |
| 5 | ラム肉 | ─ |
残念ながら、血液検査のアレルギー検査は「偽陽性」が多く、当てにならないことが多いんです。本当に食物アレルギーかどうかを確かめる唯一の方法は、特別なフードだけで最低8週間過ごしてもらうことです。