歯周病は、3歳以上の犬猫の80%以上が何らかの段階の歯周病変を有するとされる、最も一般的な疾患の一つである。しかし多くの症例で見過ごされ、治療介入が遅れる傾向にある。歯周病は口腔内にとどまらず、心臓・肝臓・腎臓への菌血症による遠隔臓器への悪影響の可能性が指摘されている。
口腔内の視診のみでは歯周病の重症度評価は不可能である。
すべての歯について以下を系統的に記録する:
| ステージ | 所見 | 治療方針 |
|---|---|---|
| 1 | 歯肉炎のみ。骨吸収なし | スケーリング&ポリッシング。在宅デンタルケア指導 |
| 2 | 付着喪失 <25%。早期歯周炎 | スケーリング・ルートプレーニング。在宅ケア強化 |
| 3 | 付着喪失 25〜50%。確立された歯周炎 | 抜歯 or 高度歯周外科手術 |
| 4 | 付着喪失 >50%。進行した歯周炎 | 原則として抜歯 |
無麻酔歯石除去(Non-Anesthetic Dental Scaling: NAD)は以下の理由からAVDC(米国獣医歯科学会)および日本小動物歯科研究会から強く非推奨とされている:
見た目がきれいになるだけで実質的な治療効果がない「美容処置」に過ぎず、飼い主に歯周病が治ったという誤った安心感を与える危険性がある。