推奨される冷却法
1. 蒸発冷却法(Evaporative cooling) ─ 最推奨
- 全身を常温〜微温湯(15〜25℃)の水で濡らし、扇風機やエアコンの風を当てる
- 蒸発による気化熱で効率的に体温を下げる
- ヒト救急医学でも gold standard として確立
2. 冷水浸漬法(Cold water immersion)
- 大量の冷水(2〜15℃程度)に体幹を浸す方法
- 蒸発冷却法と同等以上の冷却速度を持つとされる
- ただし搬送中の実施が困難な場合も多い
3. 冷却の補助手段
- 腋窩・鼠径部への冷パック(大血管近傍)
- 冷輸液(4〜10℃の室温よりやや冷たい輸液の静注)は補助的に使用可
絶対禁忌の冷却法
- 氷水の全身への使用: 末梢血管の急激な収縮を引き起こし、深部体温の放散を妨げる。シバリング(震え)を誘発し、体温が逆に上昇するリスクがある
- アルコール(イソプロパノール等)の塗布: 経皮吸収による中毒リスクがあり、蒸発冷却の効率も水に劣る
冷却の終了基準
直腸温が 39.0〜39.4℃(102.2-103°F)に達した時点で積極的冷却を必ず中止する。 これを超えて冷却を続けると:
- 医原性低体温に陥り、末梢血管収縮 → 凝固障害の悪化
- DIC の進行リスクが増大