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🎯 結論

  • コアワクチンは全犬猫が接種すべきものであり、最終接種は必ず16週齢以降に行う。その後のコアワクチンのブースターは3年以上の間隔が推奨され、毎年接種は不要である
  • 犬の体重に関わらず必ず1バイアル全量を接種する。小型犬へのハーフドーズ(分割投与)は免疫原性不足によるブレイクスルー感染のリスクがあり禁忌
  • ワクチンアナフィラキシーの第一選択薬はステロイドではなくアドレナリン(0.01 mg/kg IM)。猫ではFISS(注射部位肉腫)予防のために接種部位を四肢遠位部または尾部に変更する

📖 詳細解説

WSAVA・AAHA・AAFPガイドラインに基づく分類:

分類
コア CDV, CAV-1/2, CPV-2, 狂犬病 FPV, FCV, FHV-1, 狂犬病
ノンコア レプトスピラ, ボルデテラ等 FeLV, C. felis
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疾患 未接種時の死亡率 備考
CPV-2 / FPV 90%以上(適切な支持療法で生存率80〜90%に向上) 集団免疫には対象集団の75%以上の免疫が必要
CDV 幼若犬で約80%、成犬で約50% 神経症状発現時は予後極めて不良
FeLV 持続感染猫の80〜90%が3〜4年以内に死亡 子猫ではコア扱い推奨
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基礎免疫(犬猫共通)

  • 6〜8週齢で開始、3〜4週ごとに接種
  • 最終接種: 必ず16週齢以降(高リスク地域の犬は18〜20週齢)
  • 移行抗体(MDA)の干渉を完全に回避するための改訂

ブースター接種

  • 基礎免疫完了後、6ヶ月齢または1歳時に1回
  • その後のコアワクチン(生ワクチン): 3年ごと、あるいはそれ以上の間隔(※狂犬病は日本の法律により毎年1回の接種が義務)

用量に関する厳格な基準

  • 体重・年齢に関わらず必ず「1バイアル全量」を接種
  • 小型犬への分割投与(ハーフドーズ)は禁忌
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院内簡易キット(ワクチチェック等)の精度:

  • CDV, CPV, CAV, FPVに対し感度・特異度90〜95%以上
  • 陽性(十分な抗体価): コアワクチン(狂犬病を除く)の追加接種は不要
  • 注意: ノンコアワクチン(レプトスピラ等)やFCV/FHV-1は液性免疫と防御能の相関が低く、抗体価での接種可否判断は推奨されない
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発生率

対象 発生率 リスク因子
38〜51例/10,000頭(0.38〜0.51%) 体重10kg以下の小型犬、複数ワクチン同時接種(特にレプトスピラ含む)
約52例/10,000頭(0.52%) アジュバント添加ワクチン

アナフィラキシーの治療

  • 第一選択: アドレナリン(1 mg/mL) 0.01 mg/kg IM(※0.3 mg上限は人間用エピペンの基準であり、大型犬では用量不足となるため必ず体重ベースで計算する)
  • 必要に応じて10〜20分後に反復
  • ステロイドや抗ヒスタミン薬は第一選択ではない
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  • 発生率: 接種10,000〜30,000回あたり1例
  • アジュバント添加不活化ワクチン(FeLV・狂犬病)との関連が疑われる

3-2-1ルール(生検適応基準)

接種部位のしこりが以下のいずれかに該当:

1. 接種後3ヶ月以上持続
2. 直径2cm以上
3. 接種後1ヶ月を過ぎても増大し続けている

外科的マージン

  • 水平方向3〜5cm、深部2筋膜面を含めた広範切除が必須
  • AAFPは接種部位を「肩甲骨間」から四肢遠位部・尾部への変更を強く推奨
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Q. 「ワクチンは毎年打たないといけないのですか?」

最新のガイドラインでは、子犬・子猫の時にしっかり基礎免疫をつけた後は、主要なワクチンは3年以上の間隔で十分とされています。必要に応じて血液検査で抗体がまだ十分にあるかどうかを調べることもできます。ただし、レプトスピラなど一部のワクチンは年1回が必要な場合もありますので、生活環境に合わせてご相談しましょう。

Q. 「小さい犬だから半量の方が安全ですか?」

実は、ワクチンは体重に関係なく必ず1本分を全量接種します。半量にすると十分な免疫がつかず、かえって病気に感染するリスクが高まります。小型犬の方がワクチン後の副反応が出やすい傾向はありますが、接種後30分は院内で様子を見て、何かあればすぐに対応できるようにしますのでご安心ください。

Q. 「猫のワクチンで腫瘍ができると聞きました」

ごくまれに(1万〜3万回に1例程度)、猫ではワクチンの接種部位に腫瘍ができることがあります。そのため最近では、万一の場合に手術しやすいよう、後ろ足などに接種するようにしています。もし接種部位にしこりが3ヶ月以上残ったり、大きくなったりした場合は早めにご来院ください。
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  1. Day MJ, et al. WSAVA Guidelines for the vaccination of dogs and cats. J Small Anim Pract. 2016;57(1):E1-E45.
  2. AAHA. 2022 AAHA Canine Vaccination Guidelines. American Animal Hospital Association; 2022.
  3. Stone AE, et al. 2020 AAHA/AAFP Feline Vaccination Guidelines. J Feline Med Surg. 2020;22(9):813-830.
  4. Moore GE, et al. Adverse events diagnosed within three days of vaccine administration in dogs. J Am Vet Med Assoc. 2005;227(7):1102-1108.
  5. Moore GE, et al. Adverse events after vaccine administration in cats: 2,560 cases (2002-2005). J Am Vet Med Assoc. 2007;231(1):94-100.