致死率20〜80%の免疫疾患。最初の2週間を乗り越えれば予後は改善する。ACVIM(米国獣医内科学会) 2019コンセンサスに基づく治療戦略。
IMHAの治療3本柱は①免疫抑制(プレドニゾロン 2mg/kg/日)②抗血栓療法(血栓塞栓症が最大の死因)③輸血。重症例(自己凝集や血管内溶血あり)では初日からアザチオプリン/シクロスポリン/MMFを併用。最初の2週間の生存がカギ ─ 乗り越えた犬の長期予後は良好。再発率は11〜20%。
graph TD
A["IMHA診断"] --> B["1. 安定化処置
(輸血: PCV<15%目安, 酸素化, 輸液)"]
B --> C{"重症度評価?"}
C -- "重症
(自己凝集, 血管内溶血など)" --> D["2. 免疫抑制: プレドニゾロン 2mg/kg/日 + 第2免疫抑制薬 (Day1から)"]
C -- "非重症" --> E["2. 免疫抑制: プレドニゾロン 2mg/kg/日 単独"]
D --> F["3. 抗血栓療法
(低分子ヘパリン or クロピドグレル)"]
E --> F
F --> G{"4. 再評価
(48-72時間でPCV上昇傾向?)"}
G -- "No
(反応不良)" --> H["第2免疫抑制薬 追加/変更を検討"]
G -- "Yes
(反応良好)" --> I["現行治療継続"]
H --> J["PCV安定後"]
I --> J
J --> K["5. 免疫抑制薬漸減
(3-6ヶ月かけて)"]
K --> L["治療完了/維持"]
| ステップ | アクション |
|---|---|
| 1. 安定化 | 輸血(PCV<15%目安)、酸素化、輸液 |
| 2. 免疫抑制 | プレドニゾロン 2mg/kg/日 重症例はDay1から第2免疫抑制薬併用 食べない犬はデキサメタゾン IV |
| 3. 抗血栓 | 低分子ヘパリン or クロピドグレル (血栓塞栓症がIMHA死因の第1位) |
| 4. 再評価 | 48〜72時間でPCV上昇傾向なければ 二次免疫抑制薬を追加 |
| 5. 漸減 | PCV安定後、3〜6ヶ月かけてゆっくり減量 |
| ⚠️ 予後不良因子 | ✅ 良好な徴候 |
|---|---|
| 血栓塞栓症の併発 | 最初の2週間で安定 |
| 白血球の著明な増加(類白血病反応) | 網状赤血球の増加(再生反応あり) |
| 乳酸値の持続高値 | 免疫抑制に反応してPCV上昇 |
| 基礎疾患(腫瘍・寄生虫)あり | 特発性(基礎疾患なし) |
貧血の犬を見たら血液塗抹を確認。球状赤血球+再生性貧血+自己凝集陽性ならIMHAの確定診断に十分。
2024年の幹細胞療法研究では、標準治療に反応不良のIMHAに同種間MSC(間葉系幹細胞)を併用し、76%で血液学的回復を達成。将来の治療選択肢として注目されている。
プレドニゾロン48〜72時間でPCV改善傾向がなければ二次薬追加を検討。「どの二次薬が最良か」はまだ前向きRCT(ランダム化比較試験)のエビデンスなし ─ 施設の経験と患者の状態で判断。