16年ぶりの大改訂。3段階推奨で一般病院にも対応。麻酔死の50%は覚醒後3時間以内に発生 ─ 覚醒期モニタリングが最大のキモ。
2025年ACVAA(米国獣医麻酔鎮痛学会)新ガイドラインの最大のメッセージは「覚醒期の監視を手抜きするな」。麻酔関連死の約50%は術後3時間以内に発生。3段階の推奨レベル(最低限/代替/高度)で施設規模に関わらず実践可能。健康な犬の麻酔死亡率は0.05%、健康な猫は0.11%、病気の犬は1.33%、病気の猫は1.40%(CEPSAF研究)。
graph TD
A["麻酔覚醒期 抜管"] --> B("死亡リスクの約50%は術後3時間以内")
B --> C["覚醒期モニタリングは最重要"]
C --> D["抜管後 最低1時間専任スタッフ監視"]
D -->|"項目1"| E["SpO2 継続測定"]
D -->|"項目2"| F["体温管理"]
F -->|"低体温時"| G["積極的保温"]
F -->|"正常体温時"| H["保温継続検討"]
E --> I["安定した覚醒状態まで"]
G --> I
H --> I
I --> J["監視終了"]
| レベル | 項目 | 施設イメージ |
|---|---|---|
| 最低限 (Minimum) |
心拍数・呼吸数 SpO2・体温 麻酔深度評価 覚醒期の継続監視 |
すべての一般病院 |
| 代替 (Alternate) |
上記+心電図 EtCO2(呼気終末CO2濃度: カプノグラフィ) 間接血圧 |
設備のある一般病院 |
| 高度 (Advanced) |
上記+直接動脈圧 神経筋モニタリング 吸入麻酔薬濃度 |
大学病院・専門病院 |
| 2009年版 | 2025年版 ✅ |
|---|---|
| 覚醒期のモニタリング推奨なし | 覚醒後も継続モニタリングを強く推奨 |
| 鎮静時の指針なし | 鎮静(セデーション)専用の推奨を新設 |
| 画一的な推奨レベル | 3段階(最低限/代替/高度)で施設に合わせた柔軟な対応 |
| チェックリスト推奨なし | チェックリスト活用・チーム連携を強調 |
「抜管したら安心」は最大の誤解。最低でも抜管後1時間は専任スタッフがモニタリング。体温が36.5℃以下なら積極的保温。SpO2は覚醒まで継続測定。
WHO手術チェックリストをベースに、貴院用にカスタマイズ。最低限「Time Out」(手術開始前の5秒確認)を導入するだけでヒューマンエラーが有意に減少。
| ASA | 状態 | 死亡率目安 |
|---|---|---|
| I | 健康 | 犬 0.05% / 猫 0.11% |
| II | 軽度全身疾患 | 0.1〜0.2% |
| III | 重度全身疾患 | 犬 1.33% / 猫 1.40% |
| IV | 生命を脅かす全身疾患 | 1〜5% |
| V | 手術なしでは24h生存不可 | 5〜20%+ |
犬のリスク因子: 高齢、肥満、ASAスコア高値、緊急手術、短時間の手術(セットアップ不十分の可能性)。猫では悪液質、機械換気の使用、腹部/胸部/整形外科手術がリスク上昇。