| ❌ 旧来 | ✅ 最新 |
|---|---|
| 猫の口腔内腫瘤は炎症か歯肉炎 | 猫の口腔内で増大する腫瘤はまずSCCを疑って早期生検が原則。特に歯肉の潰瘍性病変 |
| 膀胱腫瘍の診断は外科生検のみ | BRAF変異検出は尿検体(カテーテル尿やフリーキャッチ尿)のPCRで可能。非侵襲的な診断補助 |
| 膀胱の移行上皮癌は手術で治る | 膀胱三角部に発生するため完全切除が困難なことが多い。COX-2阻害薬+化学療法による緩和的延命治療が主軸 |
| 項目 | 犬 | 猫 |
|---|---|---|
| 口腔内腫瘍に占める割合 | 第2位 | 第1位(70%以上) |
| 好発部位(口腔) | 歯肉、扁桃 | 歯肉(舌下も) |
| 皮膚型 | 低色素部位(腹部、鼻平面)。紫外線関連 | 耳介、鼻平面、眼瞼(白い猫) |
| 指(爪床) | 黒色犬種に多い。骨浸潤性 | 稀 |
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 身体検査 | 口腔内の潰瘍性腫瘤、歯の動揺、開口障害。猫では体重減少と流涎が初期症状のことが多い |
| 2. 生検 | 楔状切除生検が理想。パンチ生検でも可。細胞診のみでは確定診断困難なことが多い |
| 3. CT / ステージング | 骨浸潤の評価に必須。CTで切除マージンを術前評価。骨浸潤率は約80% |
| 4. 胸部X線 | 遠隔転移の確認。口腔SCCは局所浸潤性が強いが、肺転移率は比較的低い |
| 治療法 | 適応・成績 |
|---|---|
| 外科的切除 | 最低1〜2 cmの骨マージンを含むマージンの確保が目標。下顎切除術(mandibulectomy)、上顎切除術(maxillectomy)は犬で実施されることが多い |
| 放射線療法 | 犬の口腔SCCでは有効とされる。猫の口腔SCCでは反応が不良で、中央生存期間は3〜5ヶ月 |
| 化学療法 | 単独での有効性は限定的。カルボプラチン、ブレオマイシン等の報告あり |
⚠️ 猫の口腔SCC: 診断時にすでに進行していることが多く、根治的外科切除が可能なケースは少ない。中央生存期間は外科や放射線を含めても約3〜5ヶ月であり、飼い主への予後説明が特に重要となる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 好発犬種 | スコティッシュテリア(リスク18倍)、ビーグル、シェルティ、ウエスティ |
| 好発部位 | 膀胱三角部(尿管乳頭・内尿道口付近) |
| 雌雄比 | 雌で多い(2:1) |
| 猫での発生 | 犬に比べ稀。リンパ腫との鑑別が重要 |
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 臨床徴候 | 慢性的な血尿、頻尿、排尿障害(しぶり)。抗菌薬に反応しない再発性「膀胱炎」として来院することが多い |
| 2. 画像診断 | 超音波検査で膀胱三角部の腫瘤性病変。尿管閉塞(水腎症)の評価 |
| 3. 尿検査 | 細胞診 ─ 移行上皮の異型細胞。ただし炎症でも異型細胞が出現するため判断に注意 |
| 4. BRAF変異検出 | 約85%で変異陽性。尿サンプル(カテーテル尿 or フリーキャッチ尿)によるPCR検査が可能。感度・特異度ともに高い |
⚠️ 経腹壁的な穿刺吸引細胞診(FNA)は禁忌: 針の穿刺経路に沿って播種転移(seeding)のリスクがある。生検が必要な場合は尿道カテーテルを用いた吸引生検(traumatic catheterization)または膀胱鏡下生検が推奨される。
| 治療法 | 用量・成績 |
|---|---|
| COX-2阻害薬(単独) | ピロキシカム 0.3 mg/kg PO q24h(またはメロキシカム等)。約18〜25%の腫瘍縮小が報告。消化管副作用に注意 |
| COX-2阻害薬 + 化学療法 | ミトキサントロン(3週ごと)やカルボプラチン(3〜4週ごと)と併用。中央生存期間: 約250〜300日 |
| 外科的切除 | 三角部発生のため完全切除は困難。部分膀胱切除が可能なケースは限定的 |
| 緩和的ステント留置 | 尿道閉塞例に対して。症状緩和とQOL維持 |
💡 臨床Tips
- ピロキシカムの消化管保護: 長期投与時はミソプロストール(2〜5 μg/kg PO q8h)やオメプラゾール(1 mg/kg PO q24h)の併用を検討する。糞便潜血の定期確認も重要。
- 尿管閉塞(片側 or 両側)は予後に大きく影響する。両側性水腎症が発生した場合、尿管ステントやSUBシステムの設置が必要となるが、予後は不良。
| 因子 | 生存期間への影響 |
|---|---|
| COX-2阻害薬+化学療法 | 中央生存 250〜300日 |
| 尿道/尿管への浸潤 | 予後不良因子 |
| 遠隔転移 | 剖検時に約50%で認められる(リンパ節、肺) |