柴犬の右目が真っ白に ── 眼圧60mmHg。48-72時間で視覚は非可逆的に失われる。マンニトールの緊急降圧、Latanoprostの犬と猫の違い、健側眼の予防点眼まで。時間との戦い。
graph TD
A["緑内障診断 高眼圧"] --> B{"緊急降圧"}
B --> C["マンニトール 20% IV"]
C --> D{"Latanoprost点眼は?"}
D -->|"動物種:犬"| E{"原因は?"}
D -->|"動物種:猫"| F["Latanoprost 禁忌"]
E -->|"原発性PACG"| G["Latanoprost 適用"]
E -->|"ぶどう膜炎続発"| F
G --> H["維持薬 Dorzolamide Timolol"]
F --> H
H --> I["健側眼 予防点眼"]
I --> J["専門医へ紹介"]
緑内障は眼圧(IOP)の異常上昇により網膜神経節細胞が死滅する疾患。正常IOP 15-25 mmHgに対し、発作時は40-70 mmHg以上に達する。眼圧 >40-50 mmHgが48-72時間以上持続すると非可逆的な視覚喪失を来す。緊急降圧としてマンニトール 20%(1.0-2.0 g/kg IV、20-30分かけて)を投与し15-30分で効果発現。犬の原発性緑内障にはLatanoprost 0.005% 点眼が最も強力な降圧効果を示すが、猫には無効かつ炎症を悪化させるため禁忌。維持管理にはDorzolamide 2% + Timolol 0.5%(コソプト等)1滴 q8-12hが犬猫共通で使用可能。犬の原発性閉塞隅角緑内障(PACG)では、片眼発症後の中央値約8ヶ月で対側眼も発症するため、健眼への予防点眼を開始する。
| 薬剤 | 用量 | 犬 | 猫 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| マンニトール 20% | 1.0-2.0 g/kg IV (20-30分かけて) |
✅ | ✅ | 効果発現15-30分。脱水・心不全・腎不全は禁忌 |
| Latanoprost 0.005% | 緊急時: 10〜15分間隔で2〜3回点眼 維持: 1滴 q12h |
✅ 最強の降圧 | ❌ 禁忌 | 犬の原発性緑内障に。1-2時間で効果。ぶどう膜炎時は禁忌 |
| Dorzolamide + Timolol | 1滴 q8-12h | ✅ | ✅ | CAI + β遮断薬。維持管理に。二次性緑内障にも適用可 |
| ❌ 旧来 | ✅ 最新 |
|---|---|
| 緑内障は眼科の専門病院で診る疾患 | 48-72時間で失明する緊急疾患。一般病院でまずマンニトール + Latanoprost(犬)の初期降圧を行い、専門医へ紹介 |
| LatanoprostはIOP上昇ならすべてに有効 | 猫には禁忌(無効+炎症悪化)。ぶどう膜炎続発性(水晶体脱臼など)にも使わない |
| 片目の緑内障が治まればそれで終わり | 原発性PACGでは対側眼も中央値約8ヶ月で発症。健眼への予防点眼が必須 |
| 項目 | 原発性(PACG等) | 二次性 |
|---|---|---|
| 原因 | 隅角の先天的異常。犬種に関連(柴犬、コッカースパニエル等) | ぶどう膜炎、水晶体脱臼、眼内腫瘍など |
| Latanoprost | ✅ 第一選択 | ❌ 炎症を悪化させるため禁忌 |
| 対側眼のリスク | 高い(中央値 約8ヶ月) | 原因疾患次第 |