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🎯 結論
graph TD
    A["外耳炎症状"] --> B["初期検査 耳鏡 細胞診 鼓膜確認"]

    B --> C{"二次因子 S の治療"}
    C --> C1["細胞診結果に基づき点耳薬選択"]
    C1 --> C2{"桿菌陽性?"}
    C2 -->|"Yes"| C2A["培養 感受性試験"]
    C2A --> D
    C2 -->|"No"| D

    D{"原発因子 P の特定と是正"}
    D --> D1{"アレルギー疑い?"}
    D1 -->|"Yes"| D1A["アトピー 食物アレルギー検査 全身療法"]
    D1 -->|"No"| D2{"耳ダニ 異物 腫瘍?"}
    D2 -->|"Yes"| D2A["除去 治療"]
    D2 -->|"No"| E

    E{"持続因子 P への対処"}
    E --> E1{"耳道肥厚 石灰化 中耳炎?"}
    E1 -->|"Yes"| E1A["CT検査 TECA LBO検討"]
    E1 -->|"No"| E2{"バイオフィルム疑い?"}
    E2 -->|"Yes"| E2A["トリスEDTA 洗浄"]
    E2 -->|"No"| F

    F{"素因 P の改善"}
    F --> F1["耳毛処理 環境改善 定期洗浄"]

    F1 --> G["治療効果判定 定期モニタリング"]

    D1A --> G
    D2A --> G
    E1A --> G
    E2A --> G

犬の外耳炎の最多の原発因子はアトピー性皮膚炎(43〜55%)。 外耳炎を繰り返す犬の多くは未診断のアトピーであり、点耳薬だけでは解決しない。 治療の3本柱は:①原発因子の是正(アトピーならアポキル/サイトポイント等)、 ②二次感染の制御(細菌・マラセチアの適切な治療)、 ③耳道環境の改善(適切な耳洗浄)。 鼓膜の状態を確認してから洗浄液・点耳薬を選択する。 慢性的な外耳道の肥厚・石灰化は不可逆的で、最終手段として外耳道切除術(TECA-LBO)がある。

⚡ PPSP分類 ─ 外耳炎の因子整理

因子 定義 具体例
Primary
(原発因子)
外耳炎を直接引き起こす アトピー(最多)、食物アレルギー、耳ダニ(猫で多い)、異物、扁平上皮癌
Predisposing
(素因)
外耳炎のリスクを高める 垂れ耳(コッカー、バセット)、多毛な耳道、水泳・入浴後の湿潤、耳道の狭窄
Secondary
(二次因子)
原発因子で起きた炎症に乗じて発生 マラセチア過増殖、ブドウ球菌感染、緑膿菌(慢性化で出現)
Perpetuating
(持続因子)
原発が治っても外耳炎を維持する 耳道の肥厚・石灰化、中耳炎の合併、バイオフィルム形成

アトピー性皮膚炎(最多の原発因子)

  • 犬の慢性再発性外耳炎の43〜55%にアトピーが関与
  • 外耳炎が唯一の症状のアトピーも存在する(全身症状なし)
  • ⚠️ 「外耳炎を繰り返す犬」 = 必ずアトピーを鑑別に挙げる

食物アレルギー

  • 犬の食物アレルギーの80%に外耳炎が伴う
  • 除去食試験(8〜12週)で評価。アトピーとの併発も多い

耳ダニ(Otodectes cynotis)

  • 猫の外耳炎の最多原因(50〜84%)。犬では稀
  • 特徴的な黒褐色のコーヒー滓様耳垢。耳鏡で虫体確認
  • 治療: セラメクチン(レボリューション®)スポットオン、またはイソキサゾリン系(ネクスガード®等)
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耳垢の細胞診(必ず行う)

  • スライドに耳垢を塗抹 → 染色(Diff-quick)→ 顕微鏡で観察
  • マラセチア: 「雪だるま」型の酵母。HPF 1視野あたり>5〜10個で有意
  • 球菌(Staphylococcus等): 好中球の有無も確認
  • 桿菌(Pseudomonas等): 慢性例・治療抵抗例で出現 → 培養+感受性試験必須

点耳薬の選択

感染 推奨点耳薬(日本入手可) 備考
マラセチア ミコナゾール系(スルガム耳科用液等)
クロトリマゾール含有製剤
ステロイド配合製剤が多い
球菌感染 フシジン酸系、ゲンタマイシン系 鼓膜破損時はゲンタマイシンは禁忌(聴覚毒性)
緑膿菌(桿菌) フルオロキノロン含有点耳薬
or トリスEDTA+ゲンタマイシン
培養結果に基づく選択が必須

💊 シングルドーズ製剤

  • オシュルニア®(フロルフェニコール+テルビナフィン+ベタメタゾン): 1週間間隔で計2回の投与が必要。飼い主のコンプライアンス向上に有用
  • ネプトラ®(フロルフェニコール+テルビナフィン+モメタゾン): 1回の投与で完結(約28日持続)する真のシングルドーズ製剤
  • 日本ではオシュルニアが2016年頃に、ネプトラが2021年に発売開始。自宅での点耳が難しい飼い主に特に有用
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洗浄液の選択基準

タイプ 成分例 適応 注意点
耳垢溶解型 スクアレン、ドキュセートなど 脂性耳垢が多い症例 鼓膜破損時は使用注意
乾燥型 アルコール含有、酢酸 湿潤しやすい耳道 鼓膜破損時は禁忌(強い疼痛 + 聴覚毒性の可能性)
抗菌型 トリスEDTA 緑膿菌のバイオフィルム破壊 抗菌薬点耳の前に使用するとシナジー効果

⚠️ 鼓膜の確認が先!

  • 洗浄・点耳の前に耳鏡で鼓膜の状態を確認するのが理想(慢性例では50%近くで鼓膜破損)
  • 鼓膜が確認できない場合: 安全な洗浄液(生理食塩水 or トリスEDTA)を使用
  • 鼓膜破損時: ゲンタマイシン、アルコール含有洗浄液、クロルヘキシジンは禁忌
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  • 慢性外耳炎で耳道の線維化・石灰化・狭窄が進行 → 薬物療法の限界
  • TECA-LBO(全耳道切除+側面鼓室胞骨切り)が最終手段
  • TECA-LBOの合併症: 一時的な顔面神経麻痺(3〜15%)、ドレーン部の感染
  • ⚠️ 術前にCT検査で鼓室胞の状態を評価することが望ましい(中耳炎の合併の評価)
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何度も外耳炎を繰り返すのですが…

外耳炎が繰り返す場合、根本的な原因(多くはアレルギー)が隠れていることがほとんどです。 耳だけを治療しても、原因が解決されなければまた炎症が起きます。 アトピーや食物アレルギーの検査をお勧めします。根本原因を治療することで、 外耳炎のコントロールが格段に改善することが多いです。

自宅での耳掃除はどうすればいいですか?

獣医師に処方された専用の耳洗浄液を使ってください。綿棒は使わないでください ─ 耳垢を奥に押し込んだり、耳道を傷つけたりする原因になります。 洗浄液を耳に入れて、耳の付け根をクチュクチュとマッサージし、犬が頭を振って出してくれるのを待ちます。 出てきた汚れをコットンで拭き取るだけでOKです。
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  1. Gotthelf LN. Diagnosis and treatment of otitis media in dogs and cats. Vet Clin North Am Small Anim Pract 2004;34(2):469-487.
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