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🎯 結論

  • 慢性の嘔吐・下痢・体重減少は除去食試験→抗菌薬反応性→免疫抑制療法の段階的アプローチで約8割が改善。
  • CE犬の50〜65%は食事反応性腸症(FRE)。加水分解食または新奇タンパク食を最低2週間試す。
  • 「とりあえずメトロニダゾール」は推奨されない。抗菌薬反応性腸症(ARE)の診断は除去食試験の後
  • 内視鏡生検は食事・抗菌薬に反応しない症例のみ。組織学的評価で免疫抑制療法の適応を判断する。

📖 詳細解説

❌ 旧来の常識 ✅ 最新のエビデンス (2024-2025)
CEは「食事反応性」「抗菌薬反応性」「ステロイド反応性」に分類し順に試す 抗菌薬の使用は耐性菌とDysbiosisを招くため推奨外。微生物叢関連変調(MrMRE)という概念に置き換わっている。
下痢にはメトロニダゾールやタイロシンを処方する 抗菌薬のルーティン使用は非推奨(ACVIM 2025)。プロバイオティクスやFMT等が模索されている。
食事が効かなければすぐにステロイドを入れる ステロイド前に「別の種類の食事を試す」ことが有効だと示唆されている。
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項目 基準・数値 臨床的意義
CEの診断基準 3週間以上続く消化器症状 感染症、寄生虫、代謝疾患、EPI等を除外
FREの割合 CE犬の 約50〜65% 食事療法が第一選択である根拠
食事試験の期間 2〜4週間(皮膚症状あれば最大12週) 加水分解食 or 新奇タンパク食。おやつ含め完全切り替え
PLE重症度指標 血清Alb < 2.0 g/dL 血栓塞栓症・胸水/腹水のリスク上昇
PLEを伴わないCEの長期コントロール率 80%以上 適切な治療で良好な維持が可能
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治療ステップ 具体的なアクション 評価と次のステップ
Step 1: 食事試験 加水分解食または新奇タンパク食へ完全切り替え。おやつは一切中止。 2〜4週間で評価。改善 → 継続。不変 → Step 2へ。
Step 2: 2回目の食事試験 別パターンの治療食を試す。プロバイオティクスの併用も推奨。 改善 → 継続。不変 → Step 3(精密検査)へ。
Step 3: 内視鏡・生検 免疫抑制薬開始前に生検とリンパ腫等の除外を必ず行う。 IBD(IRE)の確定。リンパ管拡張あれば低脂肪食徹底。
Step 4: 免疫抑制療法 プレドニゾロン 1〜2 mg/kg/day から開始し最低用量へ漸減。 2〜4週間ごとにCIBDAIやアルブミンを監視。
Step 4+: ステロイド抵抗性 シクロスポリン 5 mg/kg 1日1回 or クロラムブシル併用。 血清Alb < 2.0では血栓予防も考慮。
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安易な抗菌薬投与は長期的なDysbiosisを悪化させます。現在ではプロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクス糞便微生物移植(FMT)による腸内細菌叢の「正常化」が主流になりつつあります。

💡 臨床Tips: やむを得ず抗菌薬を使用する場合:タイロシン 10〜20 mg/kg 1日2回 or メトロニダゾール 10〜15 mg/kg 1日2回。長期投与は非推奨。

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Q. 「いつもの下痢止め(抗生剤)をください。すぐ治るので。」

「最新のガイドラインでは、そのお薬を使い続けると腸の中の『良い菌』まで殺してしまい、将来的に治りにくい頑固な腸炎を作ってしまうことがわかっています。まず『食事を専用のものに変える』ことが最も安全で、治る確率も約60〜80%と一番高い治療法です。」

Q. 「食事療法ではどのくらいの期間で効果がわかりますか?」

「多くの場合2〜4週間で効果の判定ができます。この間はお試しのフード以外のもの ─ おやつ、人の食べ物、歯磨きガムなども含めて ─ を一切あげないことが重要です。ご家族全員にご協力をお願いします。」

Q. 「アルブミンが低いと言われました。どういう意味ですか?」

「腸が炎症で傷ついていると、大事なタンパク質(アルブミン)が腸から漏れ出てしまいます。アルブミンが低いとおなかや胸に水が溜まったり、血栓ができやすくなるリスクがあるため、通常よりも積極的な治療が必要です。」
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  1. 2025 ACVIM Consensus Statement on Canine Chronic Enteropathy.
  2. Rodrigues et al., Multicenter retrospective study on dietary interventions in dogs with CE. JVIM, 2025.
  3. Lyngby et al., Impact of canine CE on quality of life. Vet Rec, 2025.
  4. Dandrieux JRS, et al. Fecal microbiota transplantation for canine CE: a systematic review. BMC Vet Res, 2024.