ストルバイトとシュウ酸Caが全体の80%以上を占める。 ストルバイトは食事で溶かせるが、シュウ酸Caは溶かせない ─ この区別が治療戦略の原点。 Minnesota Urolith Center(MUC)の最新データに基づく種類別管理。
結石は「取って終わり」ではない ─ 再発予防が最重要。 犬のストルバイトは感染誘発性が多く、UTI治療+溶解食で非侵襲的に管理可能。 猫のストルバイトは無菌性が多く、食事療法で約1ヶ月で溶解。 シュウ酸Caは食事で溶解不可 ─ 外科的除去後の再発予防が鍵(尿比重を下げる、酸性を避ける)。 すべての結石で共通する最重要介入は水分摂取量の増加(USG<1.020を目標)。 摘出結石は必ず成分分析に提出(Minnesota Urolith Centerは無料で解析)。
| 結石 | 頻度 | X線描出性 | 食事溶解 | 主な関連因子 |
|---|---|---|---|---|
| ストルバイト | 犬40%、猫50% | 陽性 | 可能 | 犬: UTI(ウレアーゼ産生菌) 猫: 無菌性が大半 |
| シュウ酸Ca | 犬40%、猫40% | 陽性 | 不可 | 高Ca血症、酸性尿、品種素因 |
| 尿酸塩 | 犬5〜8% | 陰性〜弱陽性 | 可能 | ダルメシアン、肝門脈シャント |
| シスチン | 犬1〜3% | 弱陽性 | 困難 | 遺伝性(マスティフ系) |
graph TD
A["尿検査・X線でストルバイト結石を疑う"] --> B{"動物種?"}
B -->|"犬の場合"| C["尿培養・感受性試験を実施"]
C -->|"ウレアーゼ産生菌陽性"| D1["適切な抗菌薬 + 溶解食"]
C -->|"尿培養陰性"| D2["結石核内細菌を考慮、抗菌薬 + 溶解食を検討"]
D1 & D2 --> E["4週ごとにX線で結石サイズを確認"]
E -->|"溶解を確認"| F["溶解後、さらに1ヶ月抗菌薬継続"]
E -->|"4-6週で縮小傾向なし"| G["外科的除去を検討(混合結石の可能性)"]
F & G --> H["再発予防へ移行(水分摂取量増加、食事管理)"]
B -->|"猫の場合"| I["原則、抗菌薬は不要(95%以上が無菌性)"]
I --> J["溶解食(尿酸性化、Mg/P制限)のみ"]
J --> K["2〜5週間で溶解を確認"]
K -->|"溶解を確認"| L["再発予防へ移行(水分摂取量増加、酸性化フード)"]
K -->|"4-6週で縮小傾向なし"| M["外科的除去を検討(混合結石の可能性)"]
L & M --> H
| 介入 | 目標 | 詳細 |
|---|---|---|
| 水分摂取↑ | USG<1.020(犬) USG<1.030(猫) |
ウェットフード主体。水の添加。流れる水飲み器 |
| 尿pH目標 | 6.5〜7.5 | 酸性を避ける。必要ならクエン酸K 75 mg/kg PO BID |
| 高Ca食品制限 | ─ | チーズ・ヨーグルト等のおやつは制限。Ca単体のサプリは避ける |
| 高シュウ酸食品制限 | ─ | ほうれん草、ナッツ、チョコレートは避ける |
| ヒドロクロロチアジド | 高再発例で検討 | 犬: 1〜2 mg/kg PO q12h(CaOx再発予防に) |
| 結石 | 犬 | 猫 |
|---|---|---|
| ストルバイト (溶解) |
ヒルズ s/d ロイヤルカナン ユリナリーS/O |
ヒルズ s/d ロイヤルカナン ユリナリーS/O |
| ストルバイト (予防) |
ヒルズ c/d Multicare ロイヤルカナン ユリナリーS/O |
ヒルズ c/d Multicare ロイヤルカナン ユリナリーS/O |
| シュウ酸Ca (予防) |
ヒルズ c/d Multicare ロイヤルカナン ユリナリーS/O |
ヒルズ c/d Multicare ロイヤルカナン ユリナリーS/O |
| 尿酸塩 | ヒルズ u/d ロイヤルカナン ユリナリーU/C |
(猫では稀) |