溺水による肺損傷の本質は、肺胞への水分侵入によるサーファクタントの洗い出しと肺胞虚脱である。淡水・海水のいずれであっても、臨床的に重要な違いは少なく、治療アプローチは共通とされる。
吸引した液量が少量であっても、サーファクタント機能の障害と炎症反応によりARDS(急性呼吸窮迫症候群)様の病態へ進行しうる。
煙吸入による損傷は以下の3つのメカニズムが関与する。
| 指標 | 数値 | 臨床的意義 |
|---|---|---|
| CO-Hb半減期(室内気21%O2) | 約250分 | 自然排泄では解毒に長時間を要する |
| CO-Hb半減期(100%O2) | 約40〜50分 | 直ちに100%酸素投与で大幅短縮 |
⚠️ パルスオキシメーターの落とし穴: SpO2はCO-Hbを酸化ヘモグロビン(O2-Hb)と区別できず、偽高値を表示する。「SpO2が正常だから大丈夫」と判断してはならない。CO-oximetryまたは血液ガス分析による実測が不可欠。
##### 酸素療法
##### 気管支痙攣への対応
##### 上気道浮腫への対応
| 禁忌事項 | 理由 |
|---|---|
| 予防的抗菌薬の投与 | 肺損傷後の感染予防目的で投与しても死亡率の改善なし。耐性菌選択のリスクを増加させる |
| グルココルチコイド(ステロイド)の投与 | 死亡率を上昇させ、重症白血球増加症のリスクを高める。エビデンスレベルが高く推奨されない |
抗菌薬の使用は、実際に細菌感染が証明された場合(培養・感受性試験に基づいて)にのみ開始すべきである。